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豊田礼人の基本的な考え方を
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2014/08/15

第487号【タダでは歌わない】

今週のメルマガはお盆の真っ最中ということで、

いつもとは違うパターンで、

ざっくばらんな感じで、

最近思ったことを書いてみたいと思います。

 

***

 

先日、

以前に1~2回は会ってしゃべったことはあるけれど、

とくに親しいわけでもなく、

仕事を一緒にしたこともない人から、

突然、メールがありました。

 

 

そこには、

現在その人が勤めている会社での仕事に関することで、

ビジネスのある分野における専門的な質問が書かれていました。

 

 

その人がその問題の解決を迫られ、誰かに聞こうと思ったとき、

「豊田さんの顔が浮かんだ」、

ということで、メールをくれたのです。

 

 

僕のことを思い出してもらったことは嬉しいのですが、

質問の内容は専門的で、

簡単に答えられることではありません。

多少は調べて、間違いがないか、裏を取る必要があります。

 

 

またメール文面の内容のみから返答をするには、

不確定な要素もあります。

 

 

それらをその人に問い直して、

しっかりと質問内容を確定してからであれば答えられますが、

それに時間を使うのも、

なんだか気が進みません。

 

 

だって、「無料で教えてくれ」という相談ですからね。

 

 

その人にしてみれば、

その問題で困っていて、

豊田さんなら教えてくれそうだから、

気軽な感じで聞いてみた、

できれば教えて欲しい(もちろんタダで)、

ということなんですね。

 

 

悪気はまったくない。

 

 

でも、

僕はアドバイスしたり相談に乗ったりすることで食っているわけで、

「顔見知りだから」

という理由でタダで相談に乗るわけにはいきません。

 

 

もしそれをやって、

豊田さんは無料で相談に乗ってくれるコンサルだ、

と認知されてしまったら、

 

「商売あがったり」

 

になってしまいます。

 

 

そんな、豊田さん、ケチだな~。

それくらい教えてあげればいいじゃない。

 

 

と思う人もいるかもしれないんですが、

これが僕たちのビジネスですから、

譲れないんです。

 

 

特別に親しい人や、

日頃から何かでお世話になっている人からの質問であれば

喜んで答えますが、

そういう相手でもない、

ということも、答える気が起きない理由のひとつです。

 

 

ちょっと前に、映画を見ました。

売れないミュージシャンの話だったのですが、

こんなシーンがありました。

 

 

そのミュージシャンはあまり売れていなくて、

毎日の生活のお金にも困っている。

 

 

そんな彼が、

ある時、知り合いの大学教授の自宅へ夕食に招かれます。

行ってみると教授夫妻と、その友人夫妻が来ていました。

 

 

食事をしながら雑談をしていると、

彼はミュージシャンなのだ、という話題になる。

 

 

友人夫妻は、それなら是非一曲歌ってくれ、と言う。

教授も、では、あの昔のヒット曲をやってくれと頼む。

 

 

ミュージシャンは気が進まないながらも、

教授から頼まれて断り切れず、

仕方なくギターを持ち、歌い始める・・。

 

 

素晴らしい歌声に、みんなは聞き惚れ、

一緒に口ずさみ始める。

 

 

しかし彼は、歌の途中で耐え切れなくなり、

歌うのをやめて、

教授に向かってこう言う。

 

 

「オレは歌を歌うことで金を稼いでいる。

遊びや道楽でやっている訳じゃないんだ。

だから、友人だからといって、タダで歌いたくない。

あんた(教授)だって、友達の家でタダで講義をしないだろ?」

 

 

この言葉に、僕は深くうなずきました。

 

 

経営のアドバイスをするのも、

歌を歌うのも、

材料を消費するとか、仕入れるとか、

その場で何か物質的なコストが発生するわけではありません。

 

 

だから、

はたから見れば、

「別に減るもんじゃないでしょ」

 

ということになります。

 

 

でも、

見えないところで、

研究したり、練習したり、頭をひねったりして、

努力を積み重ねています。

 

 

その努力によってスキルを磨き、

プロとして仕事をしています。

今まで気が遠くなるほどの時間を費やして、

最高のサービスが提供できるように頑張っているのです。

 

 

だから、

「別に減るもんじゃない。ちょっとタダでやってよ」

という依頼に、

そうそう簡単にこたえるわけにはいかないのです。

 

 

声をかけてくれたことは嬉しい。

必要とされたことに感謝しなければいけない。

 

 

でも、プロとして、タダは嫌です。

 

 

逆に、

自分が何かのプロとして仕事をしている人なら、

そんな依頼の仕方をしてはダメです。

 

 

自分だったら、いやでしょ?

 

 

そんなことを思った、ある夏の夜、でした。

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